軽井沢の山荘

(設計:吉村順三)

長野県北佐久郡軽井沢町

 

多くの人達から多大な賞賛を受けている、吉村順三設計の軽井沢の山荘。

建築にとって大切な要素がこの別荘にはつまっている。

住む人や、周りの人への思いやりや、気持ちよさ、美しさなど多くを感じたい。

石が敷き詰められた坂を登ると、建物が顔をだす。

1階がコンクリートで2階と小屋裏が木造の混構造。

デッキ部、玄関前の深い軒下空間に快適さの魅力がつまっているそう。

カーポートも備え付けられていた。

風化とともにまわりに溶け込む素材のせいだろうか、

プラスチックっぽい既製品のカーポートのような不自然な感じはなくなじんでいる。

作り付けのポストは建物の形に似ている。

ちょっとした遊び心が少しづつ、建物の雰囲気をつくっていく。

よく、賞賛を受ける軒下空間。

守られた安心感がある。

玄関扉の中に、さらに小さな扉がついている。

火をつかって、ここでバーベキューなどしていたのだろうか。

色々できそうな軒下空間は、安心感だけでなく、楽しさの想像力をかき立てる。

窓は枠がぼこっと外に飛び出していて、小庇がついている。

外壁は木の縦桟が陰影をつけている。

あまり見ないアングルから

まわりはこのような自然に囲まれている。

山荘というにふさわしいロケーション。

 

見せていいものは見せる。

隠す物は隠す。

できるだけ自然な素材で、色んな意味で気持ちよい建物だった。

決してかっこつけているわけではないが、自然とかっこよい建物。

考え抜かれたプロポーション。

この建築のいいところを、受け継いでいきたい。